効率化の仕掛け

前節でお話しした『データ処理業務』

  1. データの加工
  2. データの移動
  3. データの印刷

は、すべて自動化が可能な業務です。現代の様にIT技術が発展している世界では、あたりまえのことを言っていますが、重要なのは、外注してお金を支払って自動化せずとも、人事担当者自身が、身じかなアプリケーションを使って実現することができる。という点です。この仕掛けについて簡単に解説しておきたいと思います。

データの加工

例えば、人事データから人数を算出する、給与データから給与支給総額や年収を算出する、勤怠データから異常な時間外勤務者を抽出するといった業務は、いずれもデータを加工している業務です。場合によっては人事担当者の業務の多くの部分を占める部分であると思います。これらデータの加工が ロジカルに定義できるのであれば、Excel や Access により、ボタン一つで修了させることができる業務となります。この分野では、常に2つの点が問題になります。

  1. ロジカルに定義することが難しい
  2. Excel Access のスキルが不足し、実現できない。

これら2つのことは、どちらも、この『人事業務はもっと効率化できる』のテーマです。データの加工業務を人事担当者のメインの業務としている(データの加工を自動化できていない)組織や人にヒアリングをした際に、まずはじめにその担当者たちが口にするのが、『複雑過ぎてルール化できない』といったものです。いわばロジカルには定義できないという主張です。例えば、実際にあった話では

賞与は、年収ベースを考慮し、月例給与から逆算されるので手作業になる

といった事を主張してきます。すこし頭を巡らせていただければ、これは、ロジカルに定義できない問題ではなく、複雑さの問題にすぎません。なので、本当は

複雑すぎて、計算を自動化するくらいなら手作業した方が早い

という主張なのだと思います。確かにこの主張は短期的には正しいことがあります。ただ、自動化のスキルを高度に身につけた担当者にしてみると、年に一回でもその業務があるなら、今回自動化しておいた方が効率化すると考えることができます。そのため、この部分についての問題点は、

自動化が可能に違いないので、ロジカルに定義できるか考えてみよう

という意識を持てる様になるか否かという部分なのです。

2点目のExcel Access のスキルが不足し、実現できない。 という部分については、詳細は後述しますが、主に以下の様に解決します。

  1. 正しい生データを取得する
  2. 生データはそのまま加工せずに、Excelのフィルターオプション等で必要な部分を抽出する
  3. 抽出したデータに必要な演算をする
  4. 例外的な処理が必要な部分があれば、別テーブル(別表)で管理する
  5. 上記の作業をマクロに登録し自動化する

生データとは、人事システムから抽出されたままの形のデータという意味です。生データを出発点とすることで、取得後の作業の多くの部分を自動化してしまうという思想です。また、生データをはじめとするデータは、履歴データの加工を行う思想が必要です。ある時点のデータを取得した演算は、シンプルな計算になりますが、数字の遷移や比較、集計、平均というものを含んだ演算において何度も取得する等の手間が増えます。履歴の演算方法についても詳しくは、後述していきます。

2.以降のフローは、データ加工の本論になります。ここでは、データと処理を分けることを前提として演算をしていきます。データと処理を分けることで、たとえば月次の計算では、元データが入替えた直後に演算を完了させることができます。逆にデータと処理を分けずに、取得した生データを直接加工してしまうという作業をしていると、毎月同じ演算を一から行わなくてはならなくなります。こういったデータと処理を分けるという演算方法は特にAccessのクエリーを使うと自然にできることですが、excelであってもデータと処理を分けて計算できる方法があります。詳細は後述いたします。

最後のマクロとは、処理を登録して、次回以降は、機械にすべてをやらせる方法です。機械へどのように処理を覚えさせるかは、すこしコツがいる部分ですので、詳しくはスキル編で解説していきます。

データの移動

給与明細を配信する。アンケートを集める。組織別の一覧表をマネジャーの送る。ワークフローを構築する。これらの業務には、『データの移動』というプロセスが存在します。ネットワークが一般的になったといえ、一つのパソコンから他のパソコンへのデータの移動は、多くの場合手作業で行われています。これを自動化しようとするのは、すこしハードルの高い話になります。その為、一般的な人事システムでは、これらの機能を組み込み、メリットを出そうとしています。

『データの移動』の業務全部とは言いませんが、かなりの部分は、やはり、人事担当者が効率化できる部分だと思っています。まず、考えるべきは、『データが共有できないか?』ということでしょう。これは『データの移動』とは、別の考えになりますが、共有できれば、わざわざ移動する必要が無いという理屈です。データの共有は、共有のファイルサーバーがあれば、実現可能です。Accessにテーブルを設置し、共有すべきデータをいれ、クライアントからリンクをするというのがお勧めの方法です。

共有ファイルサーバーは、大変便利ですが、大人数になると破綻しやすい仕組みです。Accessのテーブル共有でも、20人程度の運用が限界ではないかと感じています。それ以上の運用は、やはり『データの移動』を行うこととなります。仕掛けは、VBAのメール送信モジュールを活用し、ファイル添付送信により実現するというものです。これを自動化できれば、従業員1000人を超える企業であっても、給与明細配信を自前で運用することが可能です。詳細は後述いたします。

データの印刷









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Last-modified: 2010-04-20 (火) 15:12:19 (140d)